恋の法則
何かを探るように辺りを見回しちゃってる。
「それよりも、藤沢君に奢ってあげれば?」
人差し指で窓際の方を示す。
…はい?
私は口が開いちゃう。
「なっ、何で…わ、私が…!?」
後ずさると鞄を引っ張られ
顔を寄せられた。
藤沢はちょっとぼーっとして、ゆっくりと腰を上げてる。
「アンタ昨日、散々勉強見てもらったんでしょ?」
…はい。日が暮れるまで。
「彼、自分の時間削ってまでアンタに付き添ってくれてたんでしょ?」
…はい。
てゆーか、相当な時間を…。
智美に背中を叩かれ、
窓際の方向に押し出された。
振り返ると
「少しはありがたみを持て!」
と正論を言われた。
確かに智美の言う通りかも…。
私なんかに、散々付き合わせちゃったし。
挙げ句、送ってもらってるし…。
一人で喋りまくってたかと思うと、自爆して
藤沢を混乱させた。
しょうがないよね…。
私は覚悟を決めて両手両足を一緒にしながら、藤沢に近づいて行った。