恋の法則

視線

下駄箱で靴を履き替える時、
多くの視線が集まったのを感じた。


他のクラスの女子が5人固まってこっちを見てる。


もちろん藤沢を見てるんだろうけど。


だけどその視線にヤツは慣れてるのか、

単に興味がないのか

別段気にしてない様子だった。


でもそんな経験なかった私は

ちょっと冷ややかな視線を避ける為、

下を向いて靴を履き替えた。


コソコソ話のような声が耳に入ってくる。


意外と聞こえるんだよね。



「あれ藤沢君と…誰?」

誰…。

って私の事ですよね?


「ああ!公太郎君の…」

その名前にビクッとなる。


一人が言い出して、他の子まで食い付く。



やだな。


嫌な予感がして、さっさと帰ろうとまだ履いてない片方の靴に急いで足を突っ込む。



「もしかして公太郎君の彼女?」


「公太郎君て、あんな子と付き合ってたの!?」


あんな子って何よ。

ムカッとなるけど、何とか踏み留まる。


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