恋の法則

後悔

私は藤沢を見上げたまま何も言えなかった。

沈黙を破ったのは、アイツ。



「何で…黙ってんの?」



呟くみたいに小さく言葉を落とす。




「ちゃんと言えば良かっただろ。アイツ等に。
別れてねぇってさ」



私は唇の端を噛む。




「簡単に…言わないでよ」と自潮し、うつ向く。



でも上手く笑えるわけなくて。




本当、藤沢の言った通り。




私は意気地無し。




智美や藤沢には、「そんな事ない」って否定出来る癖に。



肝心なところで黙ってるだけなんて。




「藤沢には…関係ないじゃん」




私は図星を突かれて悔しかった。




だから、わざと冷たい口調でムカつく事を言い切ったんだ。



藤沢は怒ると思って。



なのに、アイツは怒るどころか、冷静に私の言葉を聞き入れた。



よく通る声で



「関係あるよ」


私に、言ったんだ。



うつ向いていた顔を恐る恐る上げていく。



やっぱり、視線は変わっていなかった。




私の目の奥まで、藤沢の澄んだ瞳が見つめてくる。



引き込まれて、しまいそうだった。




藤沢の口が開き―――



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