恋の法則

告白

肩の上から重みが消えた。


アイツが手を離したから。



「無理に笑ってる私がおかしかったんだ?
アンタ、哀れんでたんだ?」



次から次へと言葉がポロポロこぼれてくる。

私の意思とは無関係に。



「藤沢は楽しかった?
惨めな私を見てて楽しかった?」



公太郎が離れていく姿を、誰かのせいにしたくて。



私はずるい。




言い終えると、肩で息をしていた。



人を責めるのって、すごく醜い。



しかもそれが嫉妬からくるものなら尚更。



汚い。



奥歯を噛み締めると、震えた。



「天宮は…そんな風に自分を追い詰めていいのか?」




小さな、消えてしまいそうな声を発する藤沢。



途端に熱いもの込み上げ、胸を焦がした。




「オレは、お前がかわいそうだなんて思った事なかったよ」



静かな口調で。



胸が締め付けられて痛かった。





「自分に素直で、真っ直ぐで、いつも元気な天宮を尊敬してたよ」


そして


「オレには真似出来ないから」


と呟いた。




私は左胸を押さえて、更に頭を下げた。




苦しい。苦しいよ。





藤沢の言葉が痛い。



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