恋の法則
藤沢は私の横を過ぎ、


「じゃあな」


小さく呟き、歩いて行った。



振り向くことも


「バイバイ」を言うことも


出来なかった。



ただ黙って、立ち尽くすしかなかった。


藤沢の


「好きだ」


と言った言葉だけが胸に響いて


私を焼け焦がした。



真っ直ぐ見ていた、あの瞳が何度も



そう、呟やくんだ。



道行く生徒達が次々に校門を出て行く。


私は人目も気にしないで、

力が抜けたみたいに地面に座り込んだ。



ごめん…藤沢…




ごめんなさい……




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