恋の法則
励ましてくれた人
私、いつまでそうしてたんだろう…。
朦朧とした意識のまま、
冷たいコンクリートの上に座り込んでいて
気付いたら目の前に智美の顔があって――。
「ちょっとなつみ?大丈夫?」
「とも…み」
私は乾いた声を出す。
智美は「何してんのよ」と腕を引いてくれた。
智美の手を借りなきゃ立ち上がれないなんて…
私、どうしちゃったんだろう…。
「何でなつみが一人でこんなとこ座ってるのよ?
藤沢君は?」
私は顔を伏せた。
そうだ…藤沢が
藤沢が行っちゃった…。
すごく寂しそうな顔してた。
「どう…しよ…私…」
「ちょっと…落ち着きなよ」
智美に覗き込まれて、私は小さく頷いた。
でも、心の中はグルグル渦巻いていた。
もしかしたら、藤沢と明日から言葉を交すことさえないかもしれないって。
もう、目を合わしてくれないかもしれないって。
もう、あたしを「天宮」って呼んでくれないかもしれない。
あの不器用な笑顔を、見せてくれないかもしれない――。