恋の法則
そう考え出したら止まらなくて、
ぽっかり空いた穴に隙間風が吹いてるみたいだった。
こんなに寂しさを感じるのは初めてかもしれない。
公太郎に距離を置こうって言われた時にも
こんな気持ちにはならなかったのに。
ああ――…
そうだ。
あの時は、藤沢がいたからだ。
くたびれて、手をついてしまいそうになった私を
藤沢が横から引っ張ってくれたんだ。
乱暴な言葉で、ちっとも優しくなんかなかったけど
でも、私には心地良かった。
曖昧な励ましの言葉なんかもらうより、
横からを文句言われて
ケンカしてた方が、気が紛れてずっと良かった。
それに藤沢と一緒にいる内に公太郎とのことを
考えずに済んで。
重かった気持ちが、少しずつ軽くなっていってた。
アイツが私が背負ってる荷物を
何も言わないで、半分持ってくれたから。
いつの間にか、アンタは私の隣にいてくれたんだ…。
ぐだぐたな説明だったのに、
智美は
「大丈ー夫よ」
って私の頭を撫でてくれた。