恋の法則
私は智美、ノート、の順番で交互に見る。



「智美?」



やっぱり何か考えてる顔。


私の手元から、目を上げた。



「あのね」


そう言って、すごく迷ってる。



「何さ?」


「うん…」


言いにくいことなのかな?


「言いかけないでよー。気になるじゃん」



私は智美の肩を叩いておどけて笑って見せた。

智美は背中を押されたように、一歩前に前進した。



「なつみ、あのね」


私は思わず後退した。

「あの」


周囲に誰もいないことを確認して声を潜める。



「なつみには言うなって…口止されてたから黙ってたんだけどさ」


「は…?誰に…」



ポリッと頬をかいた智美は、私の持つものに目線を向けた。



わけもなく、鼓動が速まったのを感じた。


さっきのアイツの、後ろ姿が目の奥に浮かんだ。



藤沢…



「そのノート、さ」











藤沢に、会いたい…。





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