恋の法則
私は息を切らしながら、図書室に辿り着いた。



弾む息遣いを殺しながら、ゆっくりと扉を開ける。



本のにおいと、静けさが一気に私を出迎えた。



額ににじんだ汗を拭って、息を吸う。



喉の違和感を呑んで、私は窓際を見つめた。



窓際の3番目の席。





「…藤…沢…」





私がそう呟いた先に




藤沢はいなかった。




その代わりに振り返ったのは、


私がずっと追いかけていた




公太郎だった。


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