恋の法則
こうして会話を出来ることが、ただ純粋に嬉しい。



だって私は、公太郎が嫌いになったわけじゃないから。



私は公太郎の側まで歩いて行き、



「久しぶりだね」


と言った。


公太郎はちょっと戸惑った表情をしたけど、「うん」と頷いた。



「相変わらず元気そうだね」



「それはなつみもだろ」



「私は公太郎みたいに、年中騒ぎまくってる人間じゃないよ」


「何だ、それ」と、公太郎はしかめ面をしたけど、すぐに笑顔に戻った。



私は窓際を背にしながら、外を見た。


体育をするクラスがトラックを走ってる。



「公太郎がサボりなんて珍しいじゃん」


横を見ると公太郎は、曖昧な顔をしていた。


部活バカで、勉強は散々だった公太郎は授業は毎日真面目に受けていたのに。



「ちょっと…呼ばれてた」



と公太郎は顔を曇らせた。



そう言えば、全然気付かなかったけど心なしか公太郎の頬が腫れてる?



「ね…そこどうしたの?」



私は公太郎の赤くなった所を示す。


彼はそこを隠すように明るく笑った。



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