恋の法則
呼ばれてた…って、公太郎は言ってたけど



「もしかして、カツアゲ!?」


私は公太郎の胸ぐらを掴みそうな勢いで詰め寄る。


公太郎は一瞬キョトンとしたが、


「ちっげーよ」と慌てて否定した。



「相変わらず早とちりだなーお前は」と、公太郎は腹を抱えた。


わ、笑うことないじゃんか…!


私は顔を赤くしながら、公太郎の腕を叩いてやった。


「心配してやってんのに、笑わないでよ!」

私はそっぽを向いて、公太郎に背中を向けた。



「あ、ごめん、ごめん」


慌てたように、公太郎は弁解してくる。



「知らないよ!ったく公太郎のバカ!」


「ごめんって、なつみ!」



私はブツブツ言いながら、公太郎を横目で見た。


両手を頭の上で合わせ、深々と頭を下げる姿。



デートに遅れた時や、ドタキャンになった時もこうやって何度も謝られたな。


私はついおかしくなっちゃって、


「もーいーよ」と言った。



そろそろと顔を上げる公太郎を、いつもすぐに許しちゃう私がいた。


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