恋の法則
でも、今は――――。



「側に…いたい人がいるの…」


私が望んでいるのは、公太郎との未来じゃないんだ。


公太郎は目を見開き、私の落としていく言葉を拾っていった。



「そいつは…すっごく意地悪で…不器用で…いっぱいムカつくこと言うけど…」





隣にいてくれたの。



ずっと、辛い時も、泣きたい時も、


一緒に肩を並べてくれたの。




「私を…励ましてくれたの…」




私を『好きだ』と

真っ直ぐに見つめてくれたアンタ。



私を一番に考えて背を向けたアンタ。




行かないで藤沢。



私、いつの間にかアンタを求めてたんだ。



こんなに、願うくらい。




私…アンタが好きだよ。




不器用な優しさ


照れたように笑う顔



眼鏡を押し上げる癖



「天宮」って呼ぶ声―――。



アンタが大好きだよ。



だから、側にいてよ。



私の瞳から涙がどっと溢れた。


公太郎の前で泣き崩れる私。



本当に、私はどうしようもないヤツだ。


藤沢は絶対呆れるよ。

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