恋の法則
もしかして…
な…何かいるの?
私の想像上の幽霊達が、頭をかすめる。
カタッ。
「うっ…」と私は体を縮めた。
何か変な音がした。
こっ…怖い~!
涙も引いて、乾いちゃってる。
私は自分の鞄をかき集めて、頭から被った。
何なのよ公太郎のヤツ!
意味しんなセリフだけ残して出て行っちゃって…!
這うようにして、出口に向かう私。
地面を見て進む私の頭に何かが当たる。
おそるおせる、目を上げていくと上履きの爪先。
「ぃぎゃー!」
私は叫んで、更に体を丸めた。
「たっ、食べないでぇー!連れてかないでー!
私はおいしくないし可愛くないよーっ」
しかし一向に幽霊は動かない。
代わりに、ブルブル震える私の上から
ククッと、笑いを噛み締めたものが落ちて来た。
聞き覚えのある、笑い方。
「バーカ」
と私をバカにするのは…
ゆっくりと鞄の間からその爪先から上を見上げた。
私の引いた涙は、又も押し寄せてきた。