恋の法則
私まで、泣きたいような笑いたいような顔になる。



「藤沢」



私は藤沢の頭に手を回した。


耳元で藤沢が息を呑んだのが分かった。





「藤沢…側にいてよ」



背中にアイツの手が触れる。



でもそこを定位置に動かないアイツの手。



私は藤沢のシャツを握りしめた。




「私も、おかしいんだ。昨日から…ずっとアンタのことが離れなかったんだ」




―――アンタに背中を向けられて、


不安でたまらなかったよ。



「もう…話してくれないかもしれないって、怖くて仕方なかったよ…」



どうして、あんなこと言っちゃったんだろうって後悔ばかりがあったよ。



だって藤沢は、私が心細い時に側にいてくれたでしょ?



私が寂しくてどうしようもない時に、隣にいてくれたでしょ?


アンタの大きな手がなくなること、考えられなかったんだよ。



藤沢がいなくなっちゃったらって…。



ずっと、そんなことばっかり…。






「私、藤沢が好きだよ」





背中に置かれるアイツの手に振動が走る。



私は自分の言葉を、自分自身に言い聞かせるように呟いた。







「藤沢が…好きだよ」





私の好きなアンタに届くように、願いを込めて。







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