恋の法則
「アンタに教えることなんてないからっ!!」


振り向いて、


思いっきり舌を出して見せた。



しかし、アイツときたら



「オレ、一番最初の詩が好きだな」



軽く無視。

それから、また


「お前は?」



って聞いてくる。





何よっ。さっきまで嫌がってたくせにっ!






わけ分かんない!!




「私もっ一番最初の詩っ」




やけくそになって答えてやった。



でも、それは本当のこと。



開きかけた、ドアを閉めて、


図書室の椅子に座る。



私は大きく息を吸った。







「『寂しい夜は不安と恐怖。
前が見えない夜は絶望と虚しさ。


けれども目を閉じれば見えぬものは何もない。


目を開けば未来がある…』」





あれ?続きなんだっけ?



大好きな詩なのに思い出せない!!



あぁぁ!またバカにされるっ!




もう全部、藤沢のせいだっ!!


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