Five LOVE☆
それから…作詞作曲やら外回りを兼ねたデートやらにいそしんでいると、あっという間に1ヶ月が過ぎた。

いよいよ…対決の日が3日後に迫った。

いつものように、仕事をこなしていると…
なんだかいつもより顔色が悪い悠月が。


しょっちゅうトイレに駆け込んでるし…

しかも決まって…持ち場に戻るときはストールをお腹に巻いている。


「悠月…?
具合悪いの…?」


「うん…ちょっとね。
たまにすごくお腹痛くなるの。」


「それ…横になってたほうがいいよ。
支度して。
どうせ後は家帰ってゲームの特訓するくらいしかやることないんだから、
家帰って寝てな。
…送るよ。」


「…ありがとう。」


悠月のためなら、これくらい当然でしょ?


「僕は打ち合わせ終わり次第すぐ帰るから、
ちゃんと安静にしてるんだよ?」


軽くキスを落としてから、家を出た。



もう4時だ。

悠月を家まで送ってから、もう2時間が経つ。

打ち合わせ…長引いたなぁ。

プロデューサーさんにも一応歌詞見せたら、
「お前ららしいな」
って笑われた。


当たり前です。

悠月のことを考えながら作った詞ですから。


とにかく、急いで家に帰る。


「悠月っ…!
どう?
体調…」


僕が声を掛けると、布団からちょこんと顔を覗かせた。


「和…之っ…
なんとか…だい…じょぶっ…ハァッ…///」


なんか…顔が火照ってる気がする。
息も荒いし…
熱…ある?


体温計とついでに冷却シートを取ってこようとしたら…
くぃっと…服の裾を引っ張られた。


「和っ…行っちゃ嫌…」


そんなこと言うなって…

襲いたくなるでしょ?


「ほんと一瞬で戻ってくるから…
少しだけ待ってて?」


そう言って、僕のスーツのジャケットを彼女に掛けてやってから、部屋を出た。
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