Five LOVE☆
とりあえず、炊飯器の中にあるご飯を確認すると、
お粥も雑炊もどっちも作れそうだった。


「とりあえず雑炊でも作るか。」


そう呟いて、作業に取り掛かろうとした瞬間。


ピーンポーン…

家のチャイムが鳴り響いた。

全く…こんなときに誰だよ…
仕方なくドアを開けると、そこには親父がいた。


「親父か…
何?
今悠月が熱出して寝てるんだから、手短に要件言ってくれると助かる。」


「それなら丁度良かった。」

そう言って、親父は大きな箱を玄関口に置いた。


「嫁の実家から大量に林檎が送られてきたから、お裾分け。
対決…頑張れよ。
お前ならイケるって。
悠月ちゃんと同じくらいゲームも好きなんだから。
…いい報告、楽しみにしてる。」


それだけ言うと、親父は帰って行った。

親父…対決のこと…どこで知ったんだよ…


無事に雑炊を作り終えると、さっきの林檎とともに悠月の部屋に持っていった。

「悠ー月。
雑炊…食べられそう?」


「和っ…
ありがとう。
あ…この林檎は?」


「ん?
僕の親父からの仕送りの品だよ。」


「そうなんだ…
じゃ、ありがたくいただくね……んっ…」


「美味しいですか?」


悠月が言い終わる前に、不意打ちで食べさせてやった。


「おいしっ。
ちゃんと温かいよ?」


「良かったです。」


僕は、悠月が無事完食して眠るまで見届けた。


目を開けると、見慣れないベッドにいた。
しかも、すぐ近くに悠月がの顔があって、
身体には布団が掛かっていた。


「困るよ。
対決前なのに…和之まで風邪引いたら…」


そう言う悠月。

治ったみたい…だな。

良かった。
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