Five LOVE☆
「じゃあ…和之はオーストリアに?」


「まだ考え中。
明日には…必ず結論を出すから。
待ってて?」


和之がウィーン行っちゃったら…
もう…一緒にゲーム作れないんだね。
外回りのとき…「こっちのほうが可愛いから」
って…服をコーディネートしてくれることも…

もう…無いんだね。


そう思うと、目に溜まった涙が次々に流れてきて…
止まらなかった。


そんな私を察してくれたのか…
和之はそっと、部屋を出ていった。


数時間後。


「悠月。
起きられる?」


和之の優しい声に…自然と目を開けた。


「和之…?」


「…ん。
お粥。
一口でもいいから食べな?飛行機の機内食にも全く手ぇ付けないでさ。
だから倒れるんだよ?」


和之…分かってたの?


「気付かないと思った?
僕は悠月しか見てないからね。
ちゃんと知ってるの。」


そう言いながら、お粥を律儀に息を吹きかけて冷ましてくれて…


「はい。
あーんして?」


「ちょっ…
待って、和之っ…
こーいうの、恥ずかしいよぉっ…///」


「何今更恥ずかしがってんの?
これ以上の恋人らしいこと、今までいっぱいしてきたじゃん。」


だからこそなのっ!!


「だからって…んっ…」


言いかけたときに、隙ありとでも言わんばかりにお粥を口に入れてきた。

でも…


「美味しいっ!」


「ふふ。
良かったです。
和之くんの手作りですからね?」


い…いつ作ったの…?


しかも、和之くんって(笑)

そういう可愛いとこも…好きだなぁ…///


無事にお粥を完食した私。

何か、食べてる間も和之がずっと私のことを見つめてくるから…
照れるんだけど…


「なーに僕をずっと見つめてるんですか?」


「み…見つめてないしっ!」

「相変わらず、僕の子猫ちゃんは素直じゃないですね…?」



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