Five LOVE☆
和之がいる部屋の前に着いて、愛花と別れる。


「あっ。
悠月…おかえり。」


「ふふ。
ただいまっ。」


「悠月?
真剣に聞いてほしい。」


そういう和之は…

パソコンと向かい合ったり、作詞作曲をするときとはまた違った、大人な表情。

「ん?」


「悠月を泣かせるってことは重々承知だからさ。
それは仕方ないとして…

僕、行こうと思う。

ウィーンへ。」


「和之…」


やっぱり…言ってくれたね。

その言葉…ずっと待ってたよ?


「ふふ。
和之なら…そう言ってくれると思ってた。
行きたそうな顔してたもん。
私は…何年でも待ってるから…
行ってらっしゃい。」


そう言いながらも、やっぱり頬に流れた一筋の涙。

和之に優しく優しく、抱きしめられる。


「悠月はホント、泣き虫だな。
そういうとこが、また好きなんだけど。
泣き虫で、芯が強くて、家族大好きで…努力家で…
そんな貴女に、僕は惹かれたんです。
僕にしか…守れない人だって…
思ったんです。


だから…


僕に一生…


和之が次の言葉を言おうとした瞬間。


ガチャッ。


「ハイ、終了~!!」


そんなことを言いながら入ってきたプロデューサーさん。


今日はなんか…

乱入してくる人が多いなぁ。


「続きはこっちでね~!」


なんて、私も和之も、目隠しをしてどこかに連れて行かれた。


どこに行くつもりなの?



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