Five LOVE☆
何だか部屋のようなところに連れて来られて、服を着替えさせられている模様。
確かにコレ、脱がせやすいけど…


何をするつもりなの?


私の頭の中は、?マークでいっぱいだった。


いろいろ、ネックレスやらガーターベルトやらを付けられた感触がした後、ようやく目隠しを外された。


これがこの社員旅行を計画したプロデューサーの最大のサプライズだったことを…
これを見て実感する。


全身鏡に映った自分に、目を丸くしたと同時に、
また涙が溢れた。


そこには、ウェディングドレスを着た自分が映っていたのだから。


「コレ…」


「も~!
悠月、泣きすぎ。」


「ホントだよ。
また和之くんに泣き虫だって言われるぞ?」


「だってっ…グスッ…」


「オレたちからの、精一杯のサプライズ。
ちなみに、悠月以外の人は和之のオーストリア行き、全員知ってたからね?」


え…

そうだったの?


その後…メイクも終えた私に…また思いがけない訪問者が。


「さすが…悠月ちゃんだ。 和之を…よろしくな。」


「え…」


そこにいたのは…和之のお父さん。


「わざわざすみません。」


「こちらこそ…急な連絡でありますのに申し訳ございません。」


プロデューサーが頭を下げている。


「さすが、菜月さんの子だ。
すごく似合っているよ。何とか都合を付けて来たんだ。 両親の代わりに、私が見届けないと、と思ってな。」


そう声を掛けてくれたおじさん。


「世界で一番、可愛いですよ。
悠月。」


そして、次に聞こえてきたのは、世界で一番愛しい人の声。
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