Five LOVE☆
私の肩をぎゅって抱いてきたのは…黒のタキシードに身を包んだ和之だった。
「全く…僕はプロデューサーからサプライズを全部聞いているんですから、
僕まで目隠しすること…ないじゃないですか…
両親が来ることは、想定外でしたけど…」
え…?
両親!?
でも…お母さんだけしか…
「相変わらずね。
さりげなく大事なことを言うのは。」
そう言ったのは、他ならぬ、私にメイクを施してくれた女性。
嘘っ!!
「和之さんの…母親さん…ですか?」
「ええ。
そうよ。
和之を…よろしくお願いします。」
職業は、ヘアメイクアップアーティストらしい。
そして、和之のご両親と私の叔父さんと、写真を撮った後、ホテル内にあるという式場に向かった。
司会を務めるのは、プロデューサー。
そして…入場のときの曲が私たちのあの曲で…
すごく心が落ち着いた。
叔父さんと2人で…ヴァージンロードを歩く。
「幸せに…なりなさい。
菜月さん達の分まで。」
涙を堪えて大きく頷くと、和之のもとへと歩いて行った。