Five LOVE☆
近くのレストランで、菜々枝ちゃんと待ち合わせる。

「雅志くん!!」


「…ああ。
菜々枝ちゃんか。」


2人で、店の奥の席に座った。


「奈留のこと…でしょ?」


「うん。
なんか…奈留…俺に隠してること…あるよね?
職場楽しいかって聞いたときも…泣きそうな顔してたし。」


「そりゃそうよ。
上の先輩たちにいじめられてるんだから。」


「小学校のとき…特に女子からヒドイいじめを受けて…あまり女子と関わらなくなったのよ…奈留。
中学も高校も…少しはいじめられたみたいだけど…
本当に…奈留が友達として接しているのは…私と…もう1人くらいかな。」


「そ…そう…だったんだ…」
奈留がいじめられていた?
あの明るい奈留が?

嘘…だろ…?


「それに…『さっき水道場で転んだ』
って奈留、言ってたけど…あれ、嘘よ。
奈留が…私や雅志くんを心配させないためについた嘘。
私、見たもん。
水道場で先輩が奈留にバケツの水を浴びせているところ。」


ショックだった。

なぜ自分は、奈留が苦しんでいるのに気付いてやれなかったんだろう。

院長に相談することも…しなかった。

奈留…ツラかったよな…

ごめんな?

守って…やれなくて…


「あ…それから…これは…奈留をいじめている先輩の話なんだけど…
その先輩は…妊娠してるみたい。
だから今は職場には来ていないのよ。
今臨月らしいけど。」

え!?




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