Five LOVE☆
乗り込むなり、使用人たちに腕を引っ張られてある部屋に連れて行かれ、タキシードに着替えさせられる。
なんでタキシード?
そう思いつつも部屋を出ると、出入り口に2人揃って両親がいた。


「か…母さん?
と…親父?」


「……遅いわよ?
この披露宴のためにわざわざ来たんだから。」


って…披露宴?

クルーザーでやるの?


「私たちはそう聞いたの。あ、ゆっくりお会いするのは初めてね?
産婦人科医をしています、三咲 朱音です。
奈留を…よろしくね?」


「朱音の夫の三咲 星哉(ミサキセイヤ)です。
これからよろしく。」


「よろしくお願いします。」

そう言ったところで…


「ねぇ…何でウェディングドレス?
しかもこれ、なんか胸元の空きが広すぎて恥ずかしいんだけどっ…」


俺の世界で一番大切な人登場。

そんなことないって。

すげぇ可愛いよ?

すぐにでも押し倒したいくらい。


「わぁっ!!
詩名おばさんっ!!」


「ふふ。
準優勝、おめでとう。
ウチの雅志、意外にもちゃんと指導したみたいね?」

「ええ。
彼がいなかったら、準優勝なんてできませんでしたよ。」


クルーザーに、ベルの音が鳴り響いた。


さぁ。

披露宴、スタートだ。
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