Five LOVE☆
彼女は俺が一応母さんに"奈留が高山病になった"って事実を伝えに行った間に目を覚ました。


「ごめんね…またっ…迷惑かけて…」


「大丈夫。」


「大丈夫って…
雅志くんがちゃんと見てなかったせいでしょ?
大事な彼女さんが2日酔いになったの。」


「はい。」


「でも…さすが詩名さんの息子。
よく、高山病の症状見抜いたわね。」


だてに医者の息子、やってないからね。


とか、心の中で呟いてみる。

ホントは、2日前のランチクルーズのときに母さんから聞いたの。


「スイスのアルプスとかにも行くの?
それなら高山病には気を付けなさいよ?
万が一そうなったらフランスで医者をやってる私の叔母さんに連絡するのよ?
小さい頃、確かあったことあるでしょ?」


って言って、叔母さんの連絡先を教えてもらったの。 んで、たまたま、使用人さんが連絡しようとしていた番号がこれと同じだったから…

ってことは、使用人さん、俺の叔母さんのことも知ってたのか…?

すごいな、財閥…


奈留は、睡眠のことに関する注意を受けていた。
お酒の力に頼る睡眠は、よくないって。

叔母さんは、奈留にそれだけ言うと、俺に結婚式には自分も呼ぶように言ってから去っていった。


その日は、中華料理を食べて、疲れたのか、俺も奈留もすぐに眠った。
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