Five LOVE☆
翌朝、隣で奈留が眠っていることを確認して、シャワーを浴びる。

やっぱ、朝のシャワーはいいなぁ…


そんなことを思っていると、シャワールームの外に人影が。
ガラス張りになってるから、見えるんだよね。
俺と一瞬だけ目を合わせた奈留は、即座に逃走した。
そんな恥ずかしがること?
早めに上がって、部屋に行くと、ベッドが不自然に膨らんでいた。
バツが悪くなった奈留が頭から布団を被っているらしい。


「気にすんなって。
一緒に泡風呂入った仲じゃん?」


とか言ったら、なんとか機嫌を直してくれた。


朝食を食べ終え、使用人さんに行き先を聞くと、電車に乗ってパリへ向かうという。

奈留が生活する街か。

そのことを、本人が一番分かっているらしい。
電車の中でもずっと、ホテルの部屋に入ってからも、着ている黄色のチュニックに似合わない、浮かない顔をしていた。
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