Five LOVE☆
「これ…」


私の左手の薬指で、バルコニーから見える三日月にも負けない輝きを放つ、シルバーの指輪。


「…奈留。
絶対幸せにするから。
…結婚しよう。」


幸せ過ぎて…

雅志が愛しすぎて。


溢れる涙にも、気付かなかった。


「……泣きすぎ。」


大会で準優勝したときより…
嬉しかったんだもん。


「…返事は?」


「私でいいなら、喜んでっ!!」


「愛してるよ、奈留。」


「わたしっ…もっ…」


強く強く抱きしめあって、
深い深いキスを何度も交わした。


「ね…こんなところで…恥ずかしいよっ…///」


バルコニーは、ホテルのどの場所よりも突出している。
向かいの家の人とかに見られてたらどうしよっ…


「見せつけてやろうぜ?」


「意地悪っ…」


「悪かったですね?」


「まぁ…ごくたまにSになる雅志も好きだから…
いいんだけど。」


「ふふっ。
ってか奈留、気付いてた?恥ずかしいとか言ってるけど…俺らもうすでに…見られてるからね?」


え!!?


そう思ってバルコニーから中を一瞥すると、
オーナーとか院長とか…
由起子先輩とか、奈々枝とかからの好奇の目が向けられていた。


見られてたの~?


恥ずかしっ…///


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