Five LOVE☆
「え…?」


私、祝賀会で雅志に何か言ったっけ…?

酔って頭がボーッとしていたのを、
バルコニーのあの風によって少しだけ回復させられたから、その前のことは一切、覚えていないのよね…


「奈留は酔ってたから覚えていないかもね?
でも、俺はちゃんと覚えてるよ。
ひどいこと言われたんでしょ?
…城竜二 美崎に。」


私…そんなこと…言ってたんだ…


「奈留。
俺、そんなに頼りない?
何で俺に一言…言ってくれなかったのかな?」


「何でよ…
何で全部洗いざらい貴方に話さなきゃいけないワケ?彼氏だからって…」


「俺は、奈留のこと心配して…」


「もういいっ!!」


そう言って、部屋を飛び出す。


ここ…ドイツのホテルだから、どこに何があるのかとかも分からないまま、とにかく走った。


階段を上がって少し行ったところに、
見慣れないバーカウンターがあった。


こんなところに、何でバーが…


カウンターの前に座ってみた。

落ち着いた雰囲気だ。
木で囲まれているからかな?


「ふふっ。
ここ、ミニバーなんだけど、結構来る人、多いのよ。」


「そうなんですか…」


「あ、申し遅れました。
バーテンダーの、村西 和音です。
よろしくお願いします。」

丁寧に頭を下げる村西さん。

この人になら…さっきあったこと…話せそうかも。
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