Five LOVE☆
さっきあったことを、過去に何度もいじめられていること等も交えて村西さんに全て話した。


「そんなことがあったの… でもその彼、ちゃんと貴女のことは心配していたはずよ。
人づてじゃなくて…ちゃんと貴女の口から事実を聞きたかったんじゃない?」


「そうなのかなぁ…。」


トン…


「どうぞ。
"シンデレラ"です。」


「シンデレラ…」


「さきほどの話で、
お酒はあまり呑めないと言われていましたから。
シンデレラも、酷く虐められた。
だけど、王子様に出会って、幸運を掴むことが出来た…
貴女にとっての王子様が…ちゃんと戻ってきますように。」


「村西さん…」


カクテルを一口呑んでみると、涙が溢れてきた。


「戻りたい…よっ…
会いたいよぉ…
雅志…」


「探してきたら?
きっと彼も…そう思っているはずよ。」


村西さん…
ありがとうっ!!


階段を上がったところの踊り場で…
一番会いたい人を見つけた。


「雅志っ…!!」


「やーっと見つけたよ、俺だけのシンデレラ。
まぁ、落とし物はガラスの靴じゃなくて結婚指輪だったけど。」


そう言われて見てみると、左手にはめてあった指輪がなかった。


「雅志~っ!!」


そう言って、泣きながら抱きつく。
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