Five LOVE☆
ローテンベルク。

学生時代に世界史の教科書で見たような、石造りの建築物が立ち並ぶ、情緒溢れる町だ。


夕食はホテルで食べてから、また部屋でゆっくりする。
こういうゆったりした時間、ホントに好きだなぁ…


急に、後ろから抱きしめられた。


「ちょっ…雅志?」


「ごめんね。
ちょっとだけ…こうさせて?」


甘えてくるの…珍しいな…

「もう…あと数日なんだからさ、一緒にいられるの…ほっとけないよ、奈留…
ちゃんと電話するんだよ?何かあったら。
勝手に思ってるんだ。
奈留の心の捌け口は、この俺だ、って。」


「雅志…」


「ありがとう、疲れたでしょ、シャワー浴びて早く寝な?」


ふとシャワールームを覗く。

1日目のホテルはシャワーだけだったのに…
バスタブがあるっ…!


「スゴいよ、雅志っ!!」


興奮気味に、雅志を呼ぶ。

「うぉっ、バスタブ!!
お目にかかれないかと思ったよ…
いいよ、先入って。」


披露宴を終えた後から、新婚さんらしいことをしたいと思案していた私。

とんでもないことを思い付く。
普段の私なら、絶対言わない。


彼の広い背中にぎゅっと抱きつく。


「奈留、どした?」


「せっかくだし…お風呂…一緒に入ろ?」


「随分大胆ですね?
お嬢様。
…お望みのままに。」


「待って。
やっぱり恥ずかしいから…」


そう言いながら、泡風呂を作る。


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