Five LOVE☆
それから、数ヶ月。

英語を使って、道行く人に住所を尋ねた。

最初に尋ねた人は、分からないらしく、
私が背負っているギターを見て、ウイーンの音楽好きな人が集まるというカフェの場所を教えてくれた。

私はそこに行って、受け付けの人に尋ねてみる。


手の爪が少し剥がれかかっている若い男の人。
ピアノをやっている人はそうなるから、かなりの上手いのだろう。

その人が戸惑いながら後ろを向いて、近くでコーヒーを入れている男と話し始めた。


すると。


「何してるの?」


後ろから声がかかった。


私が振り向いた瞬間、被っていた帽子を取り、私を抱きしめてきたその人。


「和っ…!」


和之だった。


私の背負っているギターケースには、
和之からの宿題と、大切な貴方へのプレゼント。


「悠月…なんでいきなり来たの?」


「今日が何の日か…分からないの?」


「あ、僕の誕生日か。
…ありがとう、悠月。」


そのままの余韻で、熱く深いキスを交わす。


あまりの熱烈さだったのか、周りの音楽好きな人たちから歓声と拍手が。

恥ずかしさを感じる間もなく、和之に抱っこされた。

「僕の家…行こうか?
やること…いっぱいあるしね?」


和之は異国の地でもSだった。

そんな和之を、私は一生をかけて愛していきます。

星河原 悠月side〈fin〉
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