Five LOVE☆
社長室に続く階段を、息を切らしながら駆け上がる。

「ハァッ…ハァッ…」


昔から超インドアで、あまり自分から外に出なかった僕。

学校の野球部の練習はちゃんとやってたけど…

体力…落ちたかな…

これでも、男なのに。
情けないな…


視界の端に見えたのは、2人の男女。

1人は、スーツに見覚えがある。

さっき見たし。


もう1人…

いつも会社のドレスコードをきっちり守った清楚な格好をしてくる、
僕の大好きな人。

つい…僕も意地張って可愛くないとか言っちゃうけど、すごい可愛いと思う。

知ってる?

ブラウスを上手く着こなせる人って、
お洒落なんだよ?


僕が、誰のことを言っているかって?

今、僕の目の前で犯されかけている…君だよ。

星河原 悠月。


「何してんだよ!!
俺の女に堂々と手ぇ出すんじゃねぇっ!!」


息を整えてから、ありったけの力を込めて叫ぶ。


悠月、ごめんね?

プロデューサーが来るまで、もう少しの辛抱だから。
これくらいしか出来ない…不器用な僕を許してくれますか?
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