Five LOVE☆
幸せそうな2人と赤ちゃんを見届けて、病院に戻った。
「奈留、ホント泣きすぎだよ?」
そう言って、雅志先輩が頭を撫でてくれてた。
もう診療が終わる間際の時間だったため、早めに病院を閉めて、先輩たちは帰ることに。
残るは、雅志先輩と私だけだ。
何かすっごい…ドキドキする。
「一緒に帰る?
送って行くよ。」
雅志先輩と一緒に帰れるんだ…
しばしの沈黙の中、最初に口を開いたのは先輩。
「奈留…さ、何で俺に言ってくれなかったの?
…いじめられてるってこと。
そんなに…俺が…先輩として…頼りない?」
「雅志先輩は…すごく頼りになりますよっ…
だからこそ、私が先輩に迷惑かけたくないんですっ…だって私っ…雅志先輩のことっ…」
先輩…何か怒ってる?
先輩には…笑っていてほしいのに…
そんなことを思ったら、口が勝手に自分の気持ちを言ってしまいそうになった。
あぶないあぶない…
急に、雨が降ってきた。
すると、雨の音に混じって、かほそい猫の鳴き声が。
「…何か…聞こえませんか?」
「そぉいえば…猫の鳴き声が…
って…この鳴き方はヤバイな…」
雅志先輩はそぉ言って、声のしたほうへ走る。
私も慌てて後を追うと、段ボールに入った2匹の子猫が。
「衰弱しきってる…
奈留っ!!
病院からあるだけのタオル持ってきてっ…」
「はいっ!!」
雅志先輩の指示通り、走って病院に向かう。
病院からタオルを持って出ると、すでに入り口に雅志先輩が。