Five LOVE☆
「雅志先輩…何で…」


「待ってるより早いかなぁ…
って。
…さ、今ならまだ助かるかもしれない。
奈留、頑張ろ!」

「はいっ!!」

雅志先輩が点滴を打つのを、必死にサポート。


黒い三毛猫は一命をとりとめたが、
白いほうは…どんな治療を施しても、回復の見込みはなかった。


「…奈留。
…楽にさせてやろう。」

先輩のその言葉は、
「安楽死」

を意味していた。


「先輩…そんな…ことってっ…」


「仕方ないよ…こぉなることもある。
悲しいけど…ね。
俺も奈留も、精一杯やったんだ。
助からない命もある。」


私は、震える手で注射を打って…病院の裏に埋めた。というのも…保健所の許可が引き取ってくれなかったから。

連絡したら…今は引き取りに行けませんなんて言われた。

こういう場合、院長から話しはされていた。
病院の土地は院長自身が買ったものだから、この土地に埋めていい、と。

涙を堪えながら、埋めてお墓を作って…お参りした。

「先輩っ…」

やっぱり、やりきれなくて、先輩に思いきり抱きつく。


「奈留…
泣くなって…
奈留には…ずっと笑っていてほしいんだから…さ。」

「…悲しいのは…分かる。 俺も初めて、安楽死をさせたとき…虚しかったし、悲しかったから…
って…いい加減…泣き止んで?」

そう言うと、先輩の顔が近付いてきて…


「奈留…ホント泣きすぎ。 しょっぱい。」


キス…だよね?

これ…


「俺の気持ち。
俺は…後輩としても、女の子としても…ちゃんと見てたからね?」



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