Five LOVE☆
とりあえず…和之と2人で24時間営業のファミリーレストランに入ってモーニングのパンケーキセットをつつきながら時間を潰した。

「今日も多分…残業かもなぁ…」


ポツリと呟く和之。


「何か…ごめんね?
私のせいで…」


「いや、気にしないで?
悠月のせいじゃないから。」

「ありがとう。」


お金を払って、お店を出ようとしたら、すでに和之が会計をした後だった。


意外にジェントルマンなのよね…和之。


こーいうところが。


時間は7時30分。


昨日から着ていた白シャツの上にニットを着て、ロールアップジーンズを履く。

一番先に出社してきたプロデューサーさんにご挨拶。

「あ、おはようございます。」


「おはよう。
…今日も可愛いね。
悠月ちゃん。」


「いえ…そんなっ…」


「今日もしっかり頼むよ!! 僕はちょっと朝会終わったら商品開発会議に行って来るから。」


「あっ…はいっ!!」


朝礼が終わって、さっそく仕事に取りかかる。

今まで書いたイラストたちに、丁寧に、色を着けていく。


そして、作業の合間に、少し内職。

高校時代の友人の、バースデーカード書いたり、母の日のカード書いたり…
手帳にお父さんの命日の印をつけたりした。

そこからは、記憶がない。

「んっ…」


気付くと、もう午後の3時で…

背中には、見覚えのあるスーツの上着がかけられていた。


「悠月、寝過ぎ。
プロデューサーさんはとっくに会議行ってるから大丈夫だし、別に口外しないけどさ。
寝てて腹減ったろ?
何か食べに行くか。」


そう声を掛けてきたのは…
このジャケットの持ち主…
和之だった。



悠月side〈終〉
NEXT…和之side
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