Five LOVE☆
〈和之side〉

朝礼を終えて、仕事に取りかかる。

やっと、残業してやるはずだった仕事を終わらせ、一息ついて悠月の机に顔を向けると、可愛い顔をして眠っている悠月が。


「仕事中に…何やってんだか…」


腕をそっとどけると、色鉛筆で丁寧に塗られたイラストの下に、友達へのものだと思われるバースデーカードに、母の日のカード。
それに、今日にほど近い日付に、「お父さんの命日」と書かれた手帳。

こぉいうとこ、悠月はホントに…面倒見良すぎるんだよな…


ちょっとは、自分のこと心配したらどうだ?

また残業になるぞ?


それに…風邪ひくし。


僕は、自分のスーツの上着を悠月の華奢な背中にかけてやった。


…悠月の絵、色が付いてかなりよくなったな。

だけど、なぜ手作業にこだわる?

パソコンでやったほうが超絶早いのに…
まだパソコンにトラウマがあるとはいえ…


今日は…悠月のために残業するか。

パソコンでの色の付け方、教えてやろ。

早く今日の分の仕事、切り上げなきゃな。


15時頃になって、ようやく悠月が起きた。


「悠月、寝過ぎ。
プロデューサーさんはとっくに会議行ってるから大丈夫だし、別に口外しないけどさ。」


丁度僕も腹減ったし、2人でお昼ご飯を食べに行った。

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