Five LOVE☆
〈和之side〉


「眠いっ…」


まだ眠いの?


時々そぉ言いながら、机に向かう悠月。

危なっかしいな…


仕事…大丈夫か?

チラチラと、僕のほうを見て顔を赤くしながら、作業を続ける。


僕は…ノルマ終了。

プロデューサーがいない日は、皆が定時…夕方の6時には帰るんだよね…

ってか…プロデューサーさんが決めてるんだけど。

「いないときに何かあっても責任とれるかどうかわからないから…早めに帰れ」
って。


普通なら素直に帰るんだけど…

今日だけは。


悠月をほっとけなくて、仕事が終わるまで付き合ってあげることにした。


「悠月…さ。
僕が教えるから…一回…パソコンで色…付けてみない?」


「パソ…コン?」


やっぱり、「パソコン」という言葉で思い出すのだろうか?

一時的に不安そうな顔をした悠月。

…だけど。


「和之が…教えてくれるなら…頑張ってみる。」


絵をパソコンでスキャナーに取り込んで、丁寧に色を付けていく。

パレット機能を使って、絵の具を混ぜて…
自由自在に色を変えていく悠月。

さすが美大生。

飲み込みは早いし、作業も早い。

昨日残業していたのが嘘のように、20時を回る頃には全ての作業が終了していた。


「和之っ…ありがとうっ… おかげで…ずっとトラウマになってたパソコンも…克服できたかもっ!!」


「良かったっ…
ご褒美…ってワケじゃないけど…
悠月が前から行きたがってた高級イタリアンのお店…見つけたから連れて行こうか?」


悠月の顔が、さらに明るくなる。


「行きたいっ!!」


手を繋いで、僕の車が停めてある駐車場へと向かった。

数十分走ると、目的の店に着く。


外観もすごい綺麗なトコ。
車から手早く降りて、悠月が乗っている側のドアを開け、彼女の手を取って、エスコートする。

これくらい…やんなきゃね。


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