Five LOVE☆

赤信号で車が止まったとき…


ちゅっ…


雅志から…優しく唇を重ね合わせてくれた。


「奈留、泊まり込みでよく頑張ったから、ご褒美。」


「雅…志っ…」


一瞬で、顔が赤くなる。


「…してほしかったんでしょ?
2人きりのときに。」


「よく…覚えてたよねっ…」

「忘れるワケないっしょ? …着いたよ?
奈留の家。」


「ありがとっ。」


「元気だったか?」


猫ちゃんに話しかけるけど、か細い声で鳴くだけで、おもちゃで遊んでくれる素振りすら見せない。


「猫ちゃん~泣」


「まだこの環境に慣れないのかもよ?
そっとしておいてあげな、奈留。」


「わかったぁ…」



それから、数日後。


「おはよっ!!」


今日も元気に出勤!!

出来たはずだった。

今日の午後までは。

朝目眩がしたけど、無理矢理職場に行った。


「……奈留ちゃん?
具合でも悪い?
顔色悪いよ?」
具合悪いなら無理しないで、早退しな?」

真っ先に雅志…先輩が声を掛けてきた。


大丈夫、


って返したけど…私がこうなること…雅志は分かっていたのかな?

外は暖かいはずなのになぜか襲う猛烈な寒気と闘いながらカルテをまとめ終えて、食事を終えて…職場に戻った…その直後。

急に…周りの景色に違和感を感じた。

何だか…目は開いているのに…視界に入るもの全てにもやがかかっている気がする。

そして何より身体がふらつくし…頭が重い。


ドサッ…


そこからはもう…誰かの腕の中に崩れ落ちるように倒れた記憶しかない。


奈留side〈終〉
NEXT…雅志side
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