Five LOVE☆
〈雅志side〉

「お。おはよ。」


今日も元気よく出勤してくる奈留に…挨拶をする。


いつも元気だよな…奈留は。

ところが、診療の度にカルテを奈留が作業する傍らの机に置いたとき…

ふと思った。


「奈留ちゃん…顔色悪いよ?
具合…悪い?
だったら無理しないで早退しな?」


奈留は大丈夫って答えたけど、とてもそうは見えない。

たまに苦しそうに咳してるし…

大丈夫かな……


奈留と由起子ちゃんが食事している向かいの店でお昼を食べて、
病院に戻った刹那、誰かがいきなりオレの腕の中に倒れ込んできた。


「…奈留っ!?」


いつものベージュのトレンチコートを着ているから、すぐ分かる。


「しっかりしろ!奈留っ…」

「あ…あの…奈留ちゃん、朝目眩がしたって言ってて、外暖かいのに急に寒気がした
って…
食事してるときも震えが止まらないみたいだったし。」


止まらない咳に寒気に目眩…

奈留の口に体温計をくわえさせると、39度あった。

…さらに急な高熱。
インフルエンザか。
吐き気等の症状が見られないところを見ると、B型か。


「院長…また…隔離場所… お願いします。」


「まさか…彼女は…オウムからの病気ではなく…インフルエンザB型?」


「その可能性が高いですね。」


由起子ちゃんの言葉に、そぉ言いながら頷く。

院長は、こんなときに何をしてるんだ?
ずっと誰かと電話を繰り返して…。


「とにかく、今は部屋行こ?」

そぉ言った矢先、

「はい。息子さんよりもその…うちの同僚のほうを先に?
わかりました。」


まさか…電話してたのか?
葦田医院…

俺の…実家に。

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