Five LOVE☆
「…親父。
診察…俺がやる。」


「本当にお前は…仕方ないやつだな…
………そういうことか。
いいぞ。
やってみろ。」


俺のこの言葉の意図を…読み取ってくれたのだろうか。
苦笑いしながら、そぉ言ってくれた。


「胸の音を聞くので…失礼しますね。」


穏やかに微笑んで、服をまくり上げるように指示する。

恥ずかしっ…///

きれいな肌してんな…


このままだと理性が飛びそうだったので、診察を手短に終わらせた。


「肺炎等を併発している恐れはありません。
その点は安心して大丈夫です。」


「さすが…私の息子だ。
なかなかやるじゃないか。…あとは、私の番だな。」

父さんは、奈留の鼻に綿棒を突っ込む。
インフルエンザの検査だ。
奈留は相当キツかったのか、ずっと俺の手を握っていた。

しばらくして、結果が出る。


「インフルエンザB型ですね。
屯服薬と…内服薬とリレンザを出しておきますので。それから…雅志くんも…念のため自宅待機でおねがいします。
まあ…何かあれば外に出ても構わないですけどね。
冬にかかったインフルエンザB型の抗体がまだ残っているはずですから。」


薬を受け取って帰る途中、職場に電話すると、
「ゆっくり休めて早く復帰してこい」
とだけ言われた。

帰る場所といっても、俺が今一人暮らししている場所は実家の隣だから大丈夫なんだけど。


奈留を連れて、玄関に入る。

玄関はキレイに整頓されていた。

すぐ隣だから、仕事の合間におふくろが掃除しに来てくれるのかな?

奈留が薬を飲むのを見届けてから、ベッドに寝かせて様子を見る。

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