Five LOVE☆
「ホント、和之は頭の回転早いよね~
他のゲーム会社が似たゲームの製作を進めているみたいだから、いかに早く発売までもっていけるかが重要ってこと…
あっさり聞いちゃったし。」

「いや?
僕はまだまだだよ。
悠月、ちゃんと頭の中で、『こう聞かれたらこう答える』
ってシナリオ、出来てるんだもん。
だから円滑に会議とかを進められるんだね。
それによって早く終わるし。」


そんなことないって…///
和之、褒めすぎじゃない?

食事を終えて店の外に出ると、かなりの大雨。

今日…天気予報で雨降るなんていってたっけ?


「このままじゃ…会社戻っても風邪引くから…」


一呼吸置いて、言った。


「とりあえず…僕の家…来る?」


え?

え!?


えぇっ!!?


和之の…家?


「いい…の?」


「大丈夫に決まってるでしょ?
悠月も…靴ずれしてるし…今から駅まで歩くのはキツいだろうから…」


そぉ言って、タクシーを呼ぶ。


「運転手さん、僕の家…分かってますよね?」


「はいよ。」


何この会話…

どうやらこのタクシードライバーさん、和之の飲み友達らしい。


和之の家の前に着いて、

「んじゃ、これで。
お釣りはいらないからね?また…飲みに行くとき電話する。」


「はい!!
ありがとうございました~っ!」


和之…食事代だけじゃなくて…タクシー代まで…
払ってもらっちゃってごめんね…


ひょいっと身体が宙に浮いて、上から和之の声が。


「仮にも悠月、僕より2つ年下なんだよ?
年下の子に払わせるワケにはいかないの。」


和之なりの、精一杯の気遣い。
それが、かなり嬉しい。


抱っこされたまま、和之の家の玄関に入る。
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