Five LOVE☆
なんとか会社に到着。

和之に送ってもらって、

私たちが手掛けるゲームも着実にプログラムは進んでるし。


「悠月、良かったぞ。
…パソコンで色付けたやつ。
…合格。」


「ありがとうございますっ!!」


和之がポンって肩を叩いて、
「良かったな。」


って一言。


すっごい嬉しかった。


仕事も何もかも…

順調だって、


思ってた。


1本の電話がかかってくるまでは。



突然鳴った、会社の電話。

電話に出たプロデューサーさんは、

「分かりました…」


とだけ言って、


深刻そうな顔を一瞬だけ向けてから、ゆっくりと口を開いた。


「悠月…
悠月の母親が、急に倒れられたそうだ。
今は病院に搬送されて治療を受けているらしい。」

「え……?」


お母さん…が…?


数カ月前まで、あんなに元気そうだったのにっ…


「入院先は栗沢総合病院…
って…

悠月!?」


お母さんっ…


何で急に…?


とにかく、会社を出て、病院に向かった。


エレベーターを待っている間すらももどかしくて、階段を駆け降りる。


「痛っ…たぁい…」


ハイヒールパンプスだったうえに急いでいたため、階段を踏み外して転んでしまった。


でも…急がなきゃっ…


近くの交差点に向かったところで、信号に足止めを喰らった。

どーしよっ…

こんなんじゃ…お母さんのとこ…行けないよっ…

地面にへたりこみかけたそのとき、

私のすぐ近くに、クラクションを鳴らしながら停まった車が。


「な…んで…?」


車の窓から顔を出したのは、他ならぬ和之だった。



NEXT…和之side
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