Five LOVE☆
「和之…?
何で…」
「同僚から聞いたの。
こぉいうとき、頼るのが僕みたいな人なんじゃないの?
もっと…僕に頼ってよ。
ね?」
「うん…」
泣きじゃくりながら頷く悠月が可愛い。
ずっと見つめてると理性飛びそうだったから、なるべく運転に集中した。
一時停止のとき、そっと肩を叩いてやったりはした。
だけど…重要なこと…聞き忘れてた。
「悠月?
病院の名前…分かる?」
「栗沢…そうごう…びょう…い…ん…」
「分かった。
もぉすぐそこだから…
泣くなって。
お前が今泣いてどうする。悠月の母さんじゃねぇの?今一番ツラいの。」
僕がそれだけ言うと、ピタッと泣き止んだ。
「いい子じゃん。」
普通なら「子供扱いした~!!」とかいいながら、僕の膝をポコポコ叩いてくるのに。
それやらないって…
よっぽど母さんが倒れたことが応えているんだろうな…
病院の駐車券を取ってから車を停め、ある番号に電話をする。
「…久しぶり。
あのさ…星河原 菜月さんの入院してる病棟…分かる?
……分かった。
ありがとう。
じゃあ、また後で。」
「和之…?
今電話してた人…誰?」
「ん~?
僕の大学時代の友達。
看護士やってんの。
ちょうど、悠月の母親がいる病棟の担当だってさ。」
「良かった。
…女の人じゃなくて。」
「バカ。
僕は悠月しか見てないから。
…行くよ?」
来院者受け付けで2人分の名前を書いてから、番号札を受け取ってエレベーターに乗り、病室に向かう。
西棟の4階。
な…何緊張してんだろ…
悠月のお母さんに初めて会うからかな。
悠月を先に入らせた。
やっぱり、一番に会いたいだろうしね。