ゆうやけ
「落ち着けよ、結…」
公園のベンチに、わたしを、座らせて。
純は、わたしの、両手をにぎり、わたしのまえに、座って、わたしの目を、まっすぐに見る

「あいつは。昔付き合ってた彼女だ…
でも、今は、あいつに、なんの感情もない…
本当に、結を愛してる
信じてほしい…」

まっすぐな目…
だけど、言ってしまった絶対に、言ってはいけない事を…

「信じたい…でも、わたしが、知らない純を、知ってる人と、あんなに仲良く話すのみたら、

疑っちゃう…」

純の優しい目が、
悲しく…
強く…
変わった…

「何なんだよ、
お前だって、ゆうと付き合ってたんだろ…
何もなかったって、言ってるけど、
キスくらいしたのかな…って、思ったり
ゆうと仲良く話す、お前見て、何も感じないと、思ってるのか?
それでも、信じようって俺は、お前を、信じるって決めてるのに…
お前だけが、辛いのかよ… 」

穏やかで、優しい…
純…
わたしを、一番に思ってくれてるって…
わたしが、一番解ってたはずなのに…

それから、一言も、
口をきかないまま、
わたしを、家まで、送ってくれた…

別れ際…


「少し、考えたい」
とだけ言って

帰ってしまった
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