ゆうやけ
帰りの。HR
木村先生が、
「悪いけど、また資料づくり手伝って欲しいんだけど、だれか2人残って」
誰も、手をあげない…

「じゃあ、田村と中田残って、お前ら、仕事早かったから。よろしく」

みんな、帰って行く

気まずい。雰囲気…

「よしじゃあ、これよろしくな。俺は、部活行くから、それから、ちゃんと、話をしなさい…
すれ違ったまま、卒業する気か?
じゃあな…」
先生は、わたしと、純の肩をたたき、出て行った…


黙って、作業を始める純…

わたしは、勇気を振り絞って

「純…この間は、ごめんね。わたし、純じゃなきゃダメ
純と話せない毎日なんて、辛くて、私が、私じゃなくなるの…
純が大好きなの」

言い終わらないうちに、純が、わたしをだきしめた…

かすかに、揺れてる…

純が、泣いてる…

「俺…もうダメだと思ってた。あいつといる所みられたし…でも、あいつにちゃんと、言ったんだ…彼女が…結が一番だって」

「愛してる…純」

「俺も、結のこと
愛してる…」

2人の唇が重なった…

何度も
何度も

今までを。うめるように…

そして、2人で、手をつないで、木村先生のところに行った

なにも言わなかったけど、やさしく、
あったかい目で、
私たちをつつんでくれた

帰り道

だいだい色の夕焼けが
私たちを、オレンジに染めてくれた

やさしく、
あったかい、
夕焼けに包まれながら
何度も…

何度も…

キスをして…

笑いあった…
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