新撰組と鬼の娘
僕が手を握りかえすと、夜魅ちゃんが起きた。
『……沖田、さん……?』
ちょっと寝ぼけてるみたい。
「おはよう、夜魅ちゃん。」
がばっ、と起き上がったかと思ったらその目には涙があった。
「どうして泣くのさ?」
僕は上半身を起こして、夜魅ちゃんの頬に伝う涙をそっと拭った。
『沖田さん………!』
「ん?」
『…ありがとう、ございました……!私の代わりに、奴を……。仇をとってくださって……っ!』
泣きながらも、はっきりと言う。
「どういたしまして。」
『あと…………、ごめんなさい…。』
ん?
なんで謝るのかな?
御礼は嬉しいけど、謝罪なんか受けることしてない。
『私のっ……せいで、怪我…させてしまって……!』
「それは違うよ。夜魅ちゃんが謝ることじゃない。どのみち、あいつとは戦う運命だった。……長州の奴だったんだから。」
僕はそう言って、夜魅ちゃんを抱きしめた。