新撰組と鬼の娘

夜魅side


沖田さんに抱きしめられて、ちょっとびっくりした。


総「………僕も、御礼しなきゃいけないね。」


『え…………?』


どうして、沖田さんが御礼?


なんで?


私が1人考えにふけっていると、沖田さんとの間にちょっとの距離ができた。




でもそれは一瞬で、私のおでこと沖田さんのおでこがコツンとくっついた。


『!??』


突然のことで、私の頬がほんのりと赤くなった気がした。


そのままの状態で、沖田さんはとても穏やかで優しい声音で、思い出すように目をつぶって話し始めた。


総「夜魅ちゃんがあの時、僕に血を飲ませてくれなかったら、きっと今僕はここにはいない。」


『……!!』


総「だけど、夜魅ちゃんのおかげで今僕はここにいる。……生きているんだ。」



ゆっくりと、閉じていた沖田さんの目が開く。


沖田さんは微笑みを浮かべていた。







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