新撰組と鬼の娘
新撰組屯所
『……ん………。』
――あれ?私、生きてる…?――
目を開けると見慣れない天井が目に入った。
私が起き上がるのと同時に、障子が開いた。
?「あ、起きた?」
『っ!?』
声のした方を見ると男の人が立っていた。
と、つい先日を思い出す。
確か私達が静かに住んでいた村は人に襲撃されたのだ。
?「?どうしたの?」
『殺さ……ないで下さい…。』
私の口から出た言葉はとても小さなもの。
?「君…怯えてるの?」
男の人は驚いたように目を見張った。
でもそのあとすぐに、優しく笑った。
?「大丈夫だよ、安心して。僕達は君を殺しはしないよ。」
『ほんと………ですか…?』
その優しい笑顔と、安心させられるような声で、私の張り詰めていた糸が少し緩んだ。
?「ほんとだよ。あ、自己紹介がまだだったね。僕は沖田総司。君は?」
『桜…夜魅(サクラ、ヨミ)…です。』
総「夜魅ちゃんね。……じゃあ起きれるかな?ちょっとついてきて?」
私は頷いて、沖田さんの後ろをついていった。