新撰組と鬼の娘
そこで重苦しい空気が流れた。
『わ、私なら大丈夫です!お雪ちゃんの知り合いのお方のところに行けると思います!』
勇「そうは言ってもなぁ……。嫁入り前の女の子をそんな危険な所に……。」
近藤さんはますます唸った。
『…私は、皆さんの役に立ちたいんです。鬼だのなんだのって意味のわからないことを言った私を……。』
私はじっと近藤さんを見た。
『…追い出さずにいていいと言ってくれた……。私に不自由や危険がないように優しくしてくれた皆さんの、役に立ちたいんです。』
勇「桜君……。」
よし、もうやめることはできない。
私は笑って立ち上がった。
『じゃあ私早速お雪ちゃんに手紙書きます!沖田さん!』
総「はっ、はい!!?」
ん?
今まで放心状態だったの?
『紙と筆と硯と墨!用意してください!』
総「あ、うん。」
私は皆さんに礼をして沖田さんを引っ張って部屋に戻った。