新撰組と鬼の娘

廊下を進んで着いたのは広間だった。


総「はいりまぁす。連れてきました。」


そう声をかけて障子を開いた。


中には数人の男の人達。


全員が私を見る。


中に入ろうとする沖田さんの着物の袖をキュッと掴む。


総「どうしたの?」


私は怖くて、声が出せなかった。


私はもう、若干涙目だったと思う。


するとそれを分かってくれたのか、沖田さんは明るい声で中の人達に言った。


総「ちょっと皆さんさぁ、そんな殺気ださないで下さいよ。この子が怯えちゃったじゃないですか。」


すると1人の人が言った。


?「そ、そうか?それは済まないなぁ。まぁ、とにかく座ってくれ。」


ちょっとは空気が緩んだかな……?


総「夜魅ちゃん、おいで。」


そう言われ、ゆっくりと中に入って障子を閉める。


そして、空いていた座布団に正座をする。


やっぱり私に視線が集中している。





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