新撰組と鬼の娘
総「じゃあ危険じゃないか。大丈夫なのかい?」
『大丈夫です。』
そう、大丈夫。
『沖田さんが一緒にいてくれると、安心できるんです。』
そう、これは素直な気持ち。
嘘偽りのない、私のほんとの気持ち。
総「夜魅ちゃん……。」
なんか…土方さん達に言われた事が、分かった気がする。
きっと………きっとこういうこと。
『沖田さん…。私、沖田さんと一緒にいる時間が1番好きです。』
勿論、皆で過ごす時間も好き。
でも、それは家族と似た好き。
沖田さんは、違う。
『私は、沖田さんが好きなんです。……さっき、土方さん達が言っていたことの意味がようやくわかりました。』
私はニッコリと笑ってみせた。
総「なぁんだ、気付いたの?僕が気付かせてあげるつもりだったのに。」
沖田さんとの距離が自然と縮まる。
『今でも人は怖いです。私の、恐怖の対象です。でも……新撰組の皆さんは、沖田さんは大好きです。』
総「ありがとう、夜魅ちゃん。僕も君が大好きだよ。…ちょっと、場所変える?」
と、悪戯っぽく笑う沖田さん。
私達は人気のない小さな池に行った。